世界的な金融危機の背景下で、外需依存度が高い日本経済は深刻な後退に陥っている。経済のいっそうの悪化を避けるため、日本政府と企業は国内消費を刺激し内需拡大に全力で取り組むと同時に、様々な方法で海外市場を開拓し、外需を安定、拡大させ景気回復を促進しようと懸命に努めている。
日本政府はまず、企業の海外活動に対し金融支援を行った。4月に打ち出された経済危機対策の中で、融資難に直面している海外事業を行う日本企業を支援するため、国際協力銀行が3兆円の海外事業支援金を提供することを政府は決定した。日本貿易保険も日本企業の海外子会社への支援を拡大し、運営資金も保険の範囲に組み込み、信用危険の付保率を50%から60%に引き上げ、企業が引き続き海外事業に積極的に投資できるよう奨励した。
次に、企業が発展余地を模索できるよう、日本政府は国際協力を強化し、経済外交を展開した。主要8カ国(G8)首脳会議や主要20カ国(G20)首脳会議などの積極的な協力のほか、日本政府は経済外交の重点をアジア地区と新興市場国に置いている。
麻生太郎首相は「アジア経済倍増計画」を発表し、2020年までにアジアの経済規模を2倍にする計画を打ち出した。最大2兆円の政府開発援助を活用し、アジア諸国のインフラ建設、災害対応能力の向上、食品?エネルギー安全面での人材育成、地域協力の促進、貿易投資の促進などを援助し、アジアの経済成長能力を高め、最終的に日本の輸出市場を拡大することがねらい。
日本は国際市場における主導権の確保に技術力をより高めるため、引き続き「低炭素革命」を推進している。日本政府は約1兆6000億円を投資し、企業が世界をリードする太陽光発電、エネルギー低消費自動車や省エネルギー機器?技術を開発できるよう支援する。また、補助金支給やエコポイントなどの措置を通じ家庭に太陽光発電システムや省エネ家電、自動車などを普及させ、世界で「低炭素、循環型社会」を構築しようとしている。
同時に、日本政府は企業が発展途上国や新興市場国と環境保護、省エネ面で協力を展開することを大々的に進めている。これらの措置は内需を拡大するだけでなく、企業の外需不振の影響を阻止する役割もあり、海外進出の基礎を固めることができる。
日本政府の関連政策の奨励の下、日本企業も環境保護や省エネなどの優位性を利用し新たな成長点を積極的に探し求めている。
現在の動向を見てみると、危機で特に衝撃を受けた自動車業や電化製品業の多くの企業が海外市場に目を向けている。自動車業界で言うとトヨタ自動車、ホンダ、三菱自動車などがハイブリッドカーや電気自動車の開発?生産?販売に力を入れ、電化製品業界ではシャープも中国企業との提携を検討している。
そのほか、日本企業は商機をねらい、米国の自然エネルギー発電市場への進出を加速化させている。例えば東京電力は米国に太陽光発電所を建設し、昭和シェル石油は米国で太陽電池を販売し、三菱電工は米国に輸出する風力発電設備などの生産を計画している。
また、日本の一部食品、医薬、小売業者など内需型企業は危機による影響が比較的少なく、また国内市場は限られているため、アジアなどの国際市場で発展の機会を模索し始めている。
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